「幼児教育・保育の無償化」がスタート、
少子化対策、待機児童問題、そして保育士の雇用と課題は山積・・・
消費増税とあわせて今年10月から始まった「幼児教育・保育の無償化」がスタートしました。
少子化対策、待機児童問題、そして保育士の雇用・・・
未来を担う子供たちを育てるための日本の社会問題としての課題意識を経営者として、地域のリーダーとして持っている方は多いのではないでしょうか。
・週休3日制の選択
・クリスマス会や運動会の企画は別会社で運営
・同僚との会食費支給
など、保育士負担を軽減して”子供と向き合うこと”にフォーカスできるような職場環境を作り、その結果
8年連続で新卒退職者ゼロの保育園をがあります。
そんな事業を通じて日本の社会問題の解決を目指すのは、、、
埼玉県で保育・療育施設の運営、保育所のコンサルティング業を営む
株式会社SHUHARI代表取締役の中村 敏也さんです。
地元の新聞や、教育系メディアにでも取り上げられることが多くなったそうですが、あなたの業界においても活用できるヒントがあるはずです。
そんな中村さんに、昨今の保育業界のあり方から、業界の働き方、独自のマネージメントまで伺ってみました。
その取り組みから社会課題を解決する手法を最新事例として共有をいたします。
経験0からの保育事業を立ち上げた手腕
新卒で、大手通信販売会社に入社し、ワインの輸入を担当、企画・マーケティングからコピーライティングの技術まで読書×実践をすることで深め、8億の事業を24億円までに伸ばしたそうです。
通販事業をスケールするためには神田昌典の
『60分間・企業ダントツプロジェクト』
『あなたの会社が90日で儲かる』
は、なくてはならないバイブルだったと語っていただきました。
これらの本を読んで、ワクワクしたことを周囲の協力者に上手く伝え、実践できたことが大きかったとのことです。
様々な企画をヒットさせ事業を拡大させていった中村さんでしたが、次第に億単位のお金を動かすことに、プレッシャーを感じるようになったと胸の内を明けてくれました。
ちょうどその頃、出産したいとこから
「子どもを預かってくれるところがない」
と悩みを聞き、そのとき、初めて”待機児童問題”に気づき、日本の宝である幼児教育、子供達の笑顔こそ大切だと自身の使命を感じ、保育をやろうと決心。
仕事の傍ら、専門学校で半年間保育を学び、チャイルドマインダーの資格を取って退職。計画どおり入社して3年後に起業。
まったく畑違いの業界に起業家として、飛び込んだ中村さんでしたが、
福祉にマーケティングを持ち込めば成功するのではと自信があった。
自己資金と借り入れた資金で、保育園 元気キッズを設立。
(子育て世代のリストは、市役所に行けば簡単に入手できた時代…)
DMやチラシなどを地道に配布し。3ヶ月後には黒字、2年後の2006年には法人化したそうです。
全てが順調にいっていた、しかし
園も3園にまで増えたところで、職場の内部分裂が起きる。
中村さんは、逃避したい気持ちもあって貿易事業に手を出したと言います。
しかし、これが後で思わぬ災難をもたらすことに!?
一緒に貿易事業をしていた仲間から3千万円を持ち逃げ・・・
投資で2千万円の損失・・・
最終的には5千万円の借金を抱えてしまい、「これはまずい」と目が覚めたそうです。
中村さんは、「この体験が保育と真剣に向き合うきっかけを作ってくれた」
と”子供たちを笑顔にする”本業回帰のターニングポイントと語ります。
当時の従業員数は、社員が10人、パートが30人の計40人。
ほとんど女性だったので、人間関係が面倒で、職場の雰囲気も陰湿なものになっていたそうです。
そのころの離職率は3割と、決して低いものではありませんでした。
そこで、会社を変えるべく、中村氏は理念の浸透に取り組みました。
・挨拶をしっかりする
・礼節をしっかりする
・人の話をよく聞く、聞く耳をもつ
・自分の意見を相手に伝える勇気をもつ、分かりやすく説明する
の4つの約束を決め、自分達の使命は
「子供たちを笑顔にすること」と思いを伝えたそうです。
当初は理念が伝わらず、退職する職員も出たが、実行することで自分が変っていき、共感する職員も増えていきました。
そして、特筆すべきは保育園のミーティングの濃さ。
昔は中村氏が中心となって進めていたが、今では理念の通り自分が話すより職員が自身の言葉で意見を積極的に話し、ほとんど話をすることがなくなったとのこと。
新卒の8年連続退職者ゼロ!
築き上げた仲間が簡単には辞めないのが強み
今では「職員がいないと無理だし、本当に感謝している」と心から言えるようです。
そんな職員たちの心と体の充実にも気を遣り、
・休日が取りやすい
・意見を受け止めてくれる
・一人で抱えないチームワークの体制構築
を定着させ、職員は楽しく幸せそうな顔で働いている。
今を築き上げた仲間が簡単には辞めないのが会社にとって強み、新卒の8年連続退職者ゼロという採用が難しくなった近年、とりわけ保育事業では、驚異的な状況を継続しています!!!
今後の展望として、一般の子どもたちに加えて、療育に通う子どもたちも笑顔にするために、より深く勉強をし、支援が必要な子ども達が大人になっても、居場所を作るサポートをしたいと中村さんは熱く語ります。
想いから生まれた新成長事業と
社会的インパクトのある10倍目標とは
事業を改革し、3園だった保育園は9園にまで増え、
児童発達支援施設を4園発足。従業員もパートを含め160人まで増員。
そして生まれた新規事業はーーー
保育所等訪問支援制度を利用した地域の保育園・幼稚園・小学校に専門家を派遣し、子ども達の直接支援事業!
更に、身体や発達障がいを抱えるお子様のご自宅にお伺いして保育をする埼玉県で初の居宅訪問型保育事業も推進!!!
まだまだ全国的にも事例が少ないこの事業でも、子供達の豊かな未来に向けた基礎力のために、保育士が働き続けたいと思える職場環境を整え、直接支援する360人の児童を3600人にするという社会的インパクトを10倍目標に掲げていらっしゃいます。
笑顔ににじむ優しさと理論を持ち合わせた中村さんの保育園は、障がいの有無にかかわらず地域の子どもたちの欠かせない居場所となるはずです。
「経済的に成長しながら、事業を通じて社会問題の解決を目指す中小企業」
すなわち、インパクトカンパニーを創り上げた中村さんの今後から目が離せません。
”インパクトカンパニー”が集う!The実践会
The実践会では、中小企業のマッチング・交流から新成長事業を創り出すことを目的とした経営者の勉強会です。
中村さんもご入会されている、『Theマーケティング実践会』は、事業を通じて社会課題を解決する全国のインパクトカンパニーが集う経営者の勉強会です。